●戻●
嘘ばかりついていた。
強がってばかりいた。
君が羨ましくて。
君が馬鹿馬鹿しくて。
抱きしめたい程大切で、
殴りたい程憎い君。
どうしても君になりたくて。
どうしても君になれなくて。
ある日全ては壊れていった。
今までした事無駄になった。
戻りたいけど、
戻れなかった。
今までの俺ならどうしてただろう。
これからの俺ならどうしたら良い?
わからないけれど、
隣に君がいた。
そう俺には君がいる。
そう俺には君がいた。
俺によく似た君がいる。
けど俺でない君がいる。
気づきたかった。
気づけなかった。
君になるのは無理だった。
俺らしく生きるべきだった。
今からでも、遅くない?
きっと、生きれる。
俺、として。
●戻●